人のおなかには「痩せ菌」と「でぶ菌」が住んでいるというのです。
気になる「痩せ菌」と「でぶ菌」とはどんな菌なのでしょうか?
腸活の検査で腸内フローラの状態が分かり、そこに痩せ菌が元気に住んでいたのです。
また、「でぶ菌」が意外にも健康寿命に大切な働きがあったこともわかりました。
「痩せ菌」と「でぶ菌」の正体と腸活の方法もあわせて紹介します。
腸内フローラと腸活とは?
毎年人間ドックを受けているぼくの奥さんが、こんなことを言いだしたのです。
「今回は腸活の検査も受けてみる・・・」というのです。
その検査は、13,000円と結構なお値段なんです。でも、腸内フローラの状況がよくわかるというので受診しました。
その結果から分かったことをまとめてみました。
さて、おなかの腸内に住んでいるいるのが腸内細菌。
3種類で、善玉菌、悪玉菌、日和見菌(ひよりみきん)が住んでいます。
善玉菌は乳酸菌やそビフィズス菌などで健康に役立っています。善玉菌のことを、専門的にはプロバイオティクスともいいます。
悪玉菌は大腸菌やクロストリジウムなどがあって健康にはよくありません。腐敗物などをつくり、有毒物質を出すこともわかっています。中には役立つ菌もいます・・・
日和見菌は、調子のいい菌で、善玉菌が元気なら善玉菌になります。でも悪玉菌が元気なら悪玉菌になります。
人間の社会ばかりではなく、腸内にもどこかで聞いた風見鶏みたいないな菌がいるんですね・・・
悪玉菌が増えると、有毒物質も増えて腸の免疫力が低下してしまいます。
その影響から発がん物質への抵抗力も弱まって、大腸にポリープやガンができやすい環境になることがわかっています。
これらの菌や未知の菌などは、腸内に1.5kgも生きているというのだからすごいです!
これらが一人一人違うパターンを持っている「腸内フローラ」。
これがちゃんと働いているかどうかを検査するのです。
その結果に、
「おお!これはなんだ?」
「痩せ菌」という菌が記載されています!
それも「ダイエット」「美容」のための参考としてです。
気になった「痩せ菌」の説明が報告書にありました。
ということは「でぶ菌」もいるのかな?
調べてみました。
痩せ菌・でぶ菌とは?
「痩せ菌」と「でぶ菌」がいるのだそうです。
- 脂肪を燃焼してやせやすい体に導く「バクテロイデス門」というグループの「やせ菌」
- 脂肪や糖をため込む「フィルミクテス門」というグループの「でぶ菌」
がいます。
痩せ菌
「痩せ菌」は善玉菌を好みます。
つまり、善玉菌をふやすと「痩せ菌も増える」ので腸内環境をよくするので、痩せやすい体に近づけるのです!
痩せ菌はアッカーマンシア ・ムニシフィラといい、肥満や糖尿病との関連があるとされています。
痩せ菌の正常範囲は、成人の腸内細菌の総数の1~4%ですが、多ければ良いというわけでもありません。
痩せ菌が無い人もいます。痩せ菌がなくても太っていない人もいるのです。
でぶ菌とは?
近年話題として、肥満の人には「デブ菌」が多い、ということから広く知られるようになりました。
でぶ菌は、2006年にワシントン大学の研究チームが英国の権威ある科学誌「Nature」に発表したマウスの実験によりわかりました。Nature 444, 1027-1031 (2006)
「でぶ菌」と呼ばれる背景には、難消化性の食物繊維をエネルギーに変える力があるために、多くの栄養やエネルギーを体内に取り込むと考えられたことが理由です。
そのため肥満や糖尿病の
「でぶ菌」は悪玉菌を好みます。
ところが、最近の研究により、いわゆる「デブ菌が多いと肥満になる」という短絡的な考えは、間違いだったということがわかってきました。
でぶ菌が悪そうな感じがしますが、実はがんばっていることもあります。
飢餓と闘ってきた人類を、少ない栄養でも生存させてきたのが「でぶ菌」。
でぶ菌も実は功労者でもあったのです。
日本人にとってでぶ菌は、長寿健康にも一役買っているというのです。
「デブ菌」の中にも、代謝をあげる「ヤセ菌」や健康ご長寿に多い「長寿菌」が含まれることがわかってきたというのです!
実際に腸内フローラ検査をしてみると、健康長寿な人に「デブ菌」に分類される種類の細菌群が多いという結果が出る事がよくあることからも、すばらしい働きがわかりますよね。
腸内フローラのバランス
私たちの腸内には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌、未知の菌などがすんでいます。
その数は100兆固、重さは1.5kgもあるのです。
研究者によると、まだまだ、よくわからない未知の菌もいるといいます。
一見「悪役のでぶ菌」には、長寿健康をはじめ「痩せ菌」のようなものも含まれていることが分かっています。
これらの天文学的な菌がお互いに作用しながらバランスが取れているのが「健康な腸内フローラ」なのですね。
腸内フローラのバランスが崩れた状態を「ディスバイオシース(Dysbiosis)」と呼んでいます。
食事、睡眠、運動、飲酒頻度、タバコ、ストレスなどの生活習慣の乱れが原因とされています。
腸内環境が良いと次のメリットがあります。
- 快便となる
- 痩せやすい体になる
- 美肌になる
- アトピー・アレルギーの予防になる
- 精神が安定する
- 感染症の予防になる
腸内環境を改善する方法
腸内フローラーのバランスを整えて腸内環境を生活習慣から改善する方法を紹介します。
- 補菌食材(プロバイオティクス)で有用菌を直接腸に届ける
- 育菌食材で有用菌にエサを与えて腸内細菌を育てる
「補菌食材」とは、有用菌を含む食べ物
代表的なのは
- 「ビフィズス菌」を含む:ヨーグルト、チーズ
- 「乳酸菌」を含む:チーズ、キムチ、漬物
- 「麹菌」を含む:味噌
- 「納豆菌」を含む:納豆
- 「酪酸菌」を含む:ぬか漬け
などがあります。
「育菌食材」とは、有用菌を育てるエサ
代表的なのは
- 「ビフィズス菌」のエサ:バナナ、タマネギ、大豆製品、牛乳
- 「乳酸菌」のエサ:海藻類、キノコ類、バナナ、大豆製品、レジスタントスターチ、冷えた炭水化物(おにぎり等)
- 「酪酸菌」のエサ:海藻類、キノコ類、緑黄色野菜、レジスタントスターチ、冷えた炭水化物(おにぎり等)
などがあります。
補菌食材と育菌食材を一緒にバランス良くたべることが腸内環境を整えることになります。
まとめ
今回は「痩せ菌」と「でぶ菌」と腸内フローラを整える腸活についても説明しました。
内容をまとめると次の通りです。
- 腸内には、善玉菌、日和見菌、悪玉菌が住んでいる
- 「痩せ菌」と「でぶ菌」は、日和見菌。
- 痩せ菌もでぶ菌も腸内環境を整える役割がある。
- 痩せ菌が増えると、痩せやすい体になる
- でぶ菌は長寿健康への功労者
まだまだ未知のことが多い腸内フローラの世界ですから、研究が進むにつれてどんどん新しいことが分かってきます。
大事なことは、補菌食材と育菌食材を一緒にバランス良くたべることで腸内環境がよくなり善玉菌が増えて、痩せ菌も多くなり痩せやすい体になると理解しています。
それを証明するのは、2年間「バナナ・きなこ・ヨーグルト・豆乳」「野菜サラダ、お酢、オリーブオイル」を毎朝続けて食べています。体重は2kg減りましたが、そればかりか「お通じが抜群、便の臭いにおいがしない」という効果もあります。