雨と言葉【日本の情緒】いくつご存じですか?

すごい雨音で朝方目が覚めた。久しぶりの雨音で、布団のなかで懐かしく耳を潜めて聞いていた。そういえば、雨の呼び方はいろいろある事に気づいた。

今朝、梅雨の庭で。
今朝、梅雨の庭で。

雨のという字

今から1900年も前に書かれた辞書がある。「説文解字」という辞書だ。「せつもんかいじ」というそうで、漢字の成り立ちを調べた辞書なのです。

その辞書にはこう説明がある。こんな内容だ。

「水の雲より下るなり。「一」は天に象かたどり、「冂」は雲に象る」

雨の字に一番上の「一」は、天を表す。その下の「冂」が雲を表わしていて、4つの点々は水なのです。

その形の意味するところは、「水が天の雲から落ちてくる」ということです。

古代人は、天の雲から水が落ちてくることを、1文字に意味を込めて描いたのですね。

雨にまつわる言葉

季節に関わる雨の言葉は多くあります。ちょっとだけ探してみました。

春の雨

春雨、 紅雨、菜種梅雨、発火雨、五月雨、 梅雨、走り梅雨、暴れ梅雨、送り梅雨、返り梅雨、空梅雨、緑雨、麦雨、小糠雨・・・・・

はじめてみた「発火雨」(はっかう)。
24節気の「清明」の4月5日頃、やわらかく静かに降る雨のことをあらわしています。別名「桃花(とうか)の雨」、「杏花雨(きょうかう)」ともいいます。語源は、桃の花に降る雨が、遠目では火を発しているように見えるといわれています。

夏の雨

白雨、洗車雨、酒涙雨、夕立、神立・・・・・

洗車雨って、今でもありそうな名前ですが。実は、七夕の前日で陰暦7月6日に降る雨の事を言います。彦星が織姫に会うときに使う牛車を洗う水になぞらえているのです。この辺は、今でもあるある・・・。

酒涙雨(さいるいう)も初めて聞きます。七夕に降る雨のことです。雨で会えなくなった織姫と彦星が流す涙と伝えられています。なんとも・・・

秋の雨

秋雨、冷雨、白驟雨、秋黴雨、伊勢清めの雨、霧雨、秋湿り、秋霖・・・・・

白驟雨(はくしゅうう)も初めて聞く言葉です。「白雨」と「驟雨」から出来た雨言葉です。白雨は、夏の夕立のことで、驟雨(しゅうう)はにわか雨のことです。両方を合わせて、「断続的に烈しく降る秋の雨」をいいます。

冬の雨

時雨、朝時雨、北時雨、北山時雨、山茶花時雨、横時雨、村時雨、月時雨、冬時雨、片時雨、氷雨、凍雨、寒九の雨、寒の雨、鬼洗い・・・・・

鬼洗いとはなんでしょう?大晦日に降る雨のことです。
語源は「鬼やらい」からきているともいわれています。追儺(ついな)という宮中の年中行事に由来するとの説もあります。

こんな雨言葉を自由につかえたら・・

もっと世界も広がり、情緒豊かな表現ができるのですね。この機会に使って見ましょう。

「きょうも、酒涙雨がやまないね~」なんて言ったら、粋な江戸の恋の物語的情緒が目に浮かびます。

なお(ライター@naoblog33)