ダイエットの悩み「停滞期」は、だれにでも起こる正常な体の反応ですよね。
とはいえ停滞期を迎えると痩せなくなり、落ち込んだり、やめたくなったりしますよね!
ダイエット中にやってくる停滞期とどう向き合って乗り越えて行けばいいのか、ヒントをまとめてみました。
停滞期をしっかり理解してダイエットを達成してほしいので、少し詳しく説明します。
ダイエットの壁「停滞期」とは?

ダイエットの「停滞期」は、これまで順調に減っていた体重がなかなか減らなくなったり、減量ペースが鈍ったりすることです。時に増えることもあります。
ダイエット中の停滞期をどのように乗り越えたらいいのか、悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
- ダイエット中に起こる停滞期の原因はなに?
- いつ始まって、どれくらい続くのでしょうか?
停滞期を詳しく説明します。
停滞期の原因
停滞期は正常な体の反応なので、停滞期をダイエットのひとつの現象として考えることも必要ですね。停滞期の原因として考えられていることを紹介します。
体を飢餓から守る重要な働き
一般的にダイエットを行うと、運動量が増えたり、食事量を減らしてカロリー摂取が減って、その結果体重が減量していきます。
このようなダイエットによる普段とは違う体重の減少を、体は異常反応と認識してしまいます。そして、人間の体をこのような急激なダイエットによる飢餓的な変化から守ろうと反応します。とっても重要な働きなのです。
この現象を「ホメオスタシス」と言います。
ホメオスタシスの維持
停滞期の原因のひとつに、ホメオスタシスの存在があります。ホメオスタシスは、生体恒常性と言います。
ホメオスタシスは、体が外から受ける環境が変化しても、体の内部の変化があっても、体温・血糖・免疫等の状態を一定に保つ「生体恒常性」の機能のことをいいます。
ダイエットで体重が減少すると「ホメオスタシス」が起こり、基礎代謝が低下してエネルギーの消費量をおさえるようになります。
また、体を一定の環境に保ち続ける働きによって、減少した分のエネルギーの吸収率を上げたり、脂肪を蓄えたりします。
つまり、ダイエットしても体重が減りにくくなるというわけです。
ホメオスタシスを維持するためには、バランスの取れた食事も必要です。
ホルモン「レプチン」の減少
また、ダイエットによる体重減少を抑えるために脂肪組織に存在するホルモン「レプチン」も関係していると言われています。
レプチンは脂肪を燃焼しエネルギーに変える働きがあります。ダイエットによる体重の減少を抑えようとレプチンが減少するので、体重が減りにくくなるといわれています。
生理前のホルモン等の影響
生理前の時期も、ホルモンや月経前症候群(PMS)などの影響で体重が減らなかったり増えたりしやすいとされます。
停滞期が始まる時期
では、停滞期はダイエット開始してから、どれ位してから起こるのでしょうか?
個人差もあるので決めつけることはできませんが一般的には次の時期と言われています。
- ダイエット開始後1か月過ぎたころ
- ダイエットで体重の5%程度減量したころ
体がダイエットによる変化を感じ取って、体を変化から守ろうとする時期ですね!
ダイエット開始から1カ月後
停滞期は、体重や体質などによって始まる時期は個人差が大きいようです。一般的には、ダイエットで体重が約5%減少すると体を元に戻そうとする機能「ホメオスタシス」が働くといわれています。
体重50kgならば、約2.5kg前後減量したころではないでしょうか。ちょうどダイエットを開始してから約1カ月過ぎたころですね。
停滞期の期間はいつまで?
また、停滞期は2週間で終わる方もいれば、1か月、長くて半年かかる方もいるといわれています。
ダイエット中の停滞期の期間には個人差があります。
一般的には2週間〜2ヵ月程度と機関にばらつきがありますが、これも個人差によるものです。
なので、他の方と比べる必要もないので、ゆったりと構えて焦らずにダイエットをしていきましょう。
停滞期は複数回になることも
長い期間にわたりダイエットを続けていると、停滞期が何度か訪れてくることがあります。むしろ、その繰り返しが起こることのほうが多いのではないでしょうか。
停滞期の乗り越え方10のヒント

ダイエット中の停滞期を乗り越え方のヒントを紹介します。
(1)運動の強度を下げる
ダイエットの成果を急いで運動を頑張りすぎると逆効果になります。
ダイエットで運動を頑張りすぎて激しい有酸素運動などのトレーニングをすると、体内に蓄積された脂肪が消費しにくくなる可能性があります。
停滞期には、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を取り入れるならば、頑張り過ぎず行うことをおすすめします。
(2)運動の内容を調整する
ダイエット中の停滞期には運動のメニューを見直すこともおすすめです。
有酸素運動で速筋を鍛える
有酸素運動では「速筋」と呼ばれる細い筋肉が主に使われます。ウォーキングやジョギングなどがあります。ダイエットのメニューに取り入れて無理のない運動を心がけましょう。
無酸素運動で遅筋を鍛える
無酸素運動に「筋力トレーニング(以下 筋トレ)」があります。
無酸素運動で使われる「遅筋」は、筋トレなどの負荷の高いトレーニングによって鍛えることができます。
ウォーキングやジョギング、スイミング等の有酸素運動に、筋トレなどの無酸素運動をプラスするのもありです。
筋肉量を増やすことを「バルクアップ」と言います。バルクアップにより、基礎代謝も高まり消費エネルギー量が増加して太りにくく痩せやすいダイエットな身体になります。
ストレッチやマッサージをする

ダイエットの停滞期には代謝量も減り、痩せにくい体の状態になっています。
こんな時は、入浴後にストレッチやマッサージをするのも効果があります。体の活動も活発になり、使っていなかった筋肉も活動的になり、代謝も上がってきます。
(3)良質の水分を多くとる
ダイエットの停滞期には水分補給にも気を使いましょう。
良質の水分を補給することで、体の中の老廃物を流し出してスッキリとした体にします。
特にむくみなどの軽減になります。むくみの取れたスッキリとしたラインはダイエットのモチベーションをアップしてくれます。
(4)食事の栄養バランスをチェック!
ダイエット中の停滞期には体が食事のエネルギーを吸収しやくなっています。説明したようにダイエットによる飢餓を回避するための機能ですね。
この仕組みを利用すれば、ダイエット中でも効果的に栄養を摂取することができます。
特にダイエット中に摂りたい栄養素は、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルで、ダイエット中の停滞期だからこそバランスよく摂取することができます。
摂取カロリーや食材の見直し
ダイエット中の停滞期の食事は減量のため減らしていることが多いですよね。スタート時点では食べ過ぎを補正するために効果がありますが、停滞期を招く原因となることもあります。
ダイエット中の効果的な食事
ダイエット中だからと単に食事の量を減らしてバランスの崩れた食事をしていると、まず筋肉量が落ちてきます。
この筋肉量の減少の影響は後から来ますので注意が必要です。
また、筋肉量が下がると基礎代謝も下がるので効果的とは言えません。まず、筋肉量をしっかりと維持するためにタンパク質をはじめ栄養素をしっかり摂ることがダイエットには大切です。
食事を、1日3回しっかり取る
ダイエット中は、摂取カロリーや食材をしっかりとチェックして、食べすぎや不足などなように管理することが大切です。何よりも、1日に3食をバランスよく摂ることがホメオスタシスの維持と筋肉の維持にとって大切です。
(5)質の良い睡眠をとる
ダイエット中は睡眠にも注意しましょう。
睡眠は健康に良いばかりではなく、ダイエットと美容にも効果があります。
「睡眠不足は肥満のリスクが高く、よく寝る人は肥満になる確率が低い」という研究結果があります。米国の別の調査では睡眠不足になると、甘いお菓子や炭水化物が欲しくなる傾向があるようです。
睡眠時間の研究によると、平均睡眠時間7~8時間の人に比べ、4時間以下の人は73%も肥満になる確率が高いようです。5時間なら50%、6時間なら23%も高くなります。
スリムな人は質の良い睡眠をとっていることが分かります。
(6)チートデイを設ける
ダイエットにおけるチートデイ (Cheat Day) は、「食事制限を一時休み、好きなものをいっぱい食べてもよい日」とい日という意味です。
チートデイの効果とは?
ダイエットの停滞期の対処法にチートデイを1日設けると、体が飢餓状態のようになるのを緩和することができます。ちょっと危険なような気もしますが、長期的には大きなメリットがあるようです。
ダイエットによるストレスを和らげてくれる効果と、モチベーション維持に役立ちます。
チートデイのメリットには、基礎代謝を高める効果があります。チートデイを取り入れて普段どおり食事を摂ると、食事誘発性熱産生が起こります。
食事誘発性熱産生(DIT)による代謝量の増加
食事誘発性熱産生 (DIT) とは、食事をした後、安静にしていても代謝量が増大することをいいます。 食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。
このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。このことがダイエットにも有効とされています。
ストレスの軽減
ダイエットは少なからずストレスを感じます。時にはストレスでイライラしてしまうこともあるのではないでしょうか?
チートデイは長期にわたるダイエット中の「ストレス発散」の有効的な方法です。
モチベーションアップ
好きなものを食べられるのでストレスが軽減でき、ダイエットのモチベーションも維持しやすくなります。
チートデイは週1回がベター
ダイエット中のチートデイは「1週間に1回」の目安がおすすめです。これを超えると、逆に太りやすくなってしまいます。
チートデイのカロリー目安
チートデイの1日のカロリー摂取量の目安を知るには、2つの方法があります。
体重×40kcalを目安とする
体重に40Kcalをかけると、チートデイのカロリー摂取の目安となります。
例えば、体重50㎏の場合、50㎏×40Kcal≒2,000Kcal
自分の基礎代謝量(kcal)×3
「自分の基礎代謝量(kcal)×3」で算出する方法です。
基礎代謝量:1,400kcalの場合 「1,400kcal×3=4,200kcal」
(7)体の内側から改善
漢方薬には、ダイエット・肥満に効果のあるものがあります。体の内側から改善したい場合には検討してもいいかもしれません。運動不足、食べ過ぎ、ホルモンバランスが原因の肥満に効果のある漢方薬もあります。漢方薬は副作用が少ないといわれているので安心して服用できるのがメリットです。
漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談する
漢方薬はその時の体の状態に合っていないと効果は期待できないばかりか、副作用の心配もあるようです。ダイエットに漢方を使う場合は、漢方に精通した医師、薬剤師等に相談することをおすすめします。
(8)諦めずに続ける

ダイエットの停滞期は、頑張っているのに体重が減らないなど、挫折感もありダイエットをやめてしまう人もいるかもしれません。
ダイエット中の停滞期を乗り越えるには、地道に対策を続けることが大切といえます。
ある程度時間をかけてゆったりとダイエットに取り組むことです。
停滞期は次のステップへの準備
ダイエット中の停滞期は、次のステージへの準備期間と考えて乗り切りましょう。
(9)毎日の記録
数字によるダイエットの記録はモチベーションアップになるばかりか、客観的に状況を把握することができます。
体重、体脂肪率、食事内容、運動などを記録しておくと、日々の変化ばかりではなく、長期的な視点からもダイエットの変化が分かります。
一括管理できるスマホのアプリもあるので活用してみてはいかがでしょうか。
(10)何にもしないという方法
ダイエットの停滞期は、ともすると焦りや、やる気の欠乏、やめてしまおうか?という気持ちになりやすいです。そんな時は、無理せずに、何にもしないという選択肢もあります。
長い長いダイエットの途中の停滞期だからこそ、焦らずに割り切って何もしない時間を過ごすことも重要です。休んだことで体調も良くなり、モチベーションが上がったという事例も多く見てきました。
一番の敵は「ストレス」です。ダイエットでストレスを抱え込んだら効果も半減してしまいます。
停滞期に避けたい事
ダイエットにおける停滞期に入ったとき、避けるべき行動があります。
食事量を減らす
ダイエット中の停滞期になって体重がなかなか減らないからと、食事量を減らすのは是非避けたいことです。
そのことで飢餓状態が進むと停滞期が長引きより太りやすくなる可能性も否定できません。
ダイエットで空腹になったら体重が増えたという体験もあるはずです。
リバウンドにもつながりやすいので、停滞期でも1日3食を心がけて栄養バランスとれた食事をすることが大切です。
運動量を増やす
ダイエットの停滞期に体重が減らないからと運動量を増やすと、逆に脂肪を蓄えることにもなります。
停滞期でも、これまでと同じペースの運動量にしましょう。
チートデイの暴飲暴食はだめ!
チートデイだからといって暴飲暴食はいけません!チートデイのカロリー量の目安をもとに、その範囲で楽しみましょう。
ダイエットをやめる
停滞期はダイエットのモチベーションが下るので、やめたくなるかもしれません。
無理なときはダイエットを休んでも、あきらめずに停滞期を乗り越えることです。停滞期を上手に乗り越えれば、そこからまた減量が始まります。
目標達成に向けて、途中でやめないで明るく前向きに楽しみながら取り組みましょう。
まとめ
ダイエットの停滞期の乗り越え方のヒントをご紹介いたしました。
停滞期は、人間に備わった正常な反応です。停滞期を乗り越えると、また減量が始まります。
停滞期は2週間から1カ月程度です。
ご紹介したヒントを活用しながら、いろいろな方法を試して停滞期を乗り越えてほしいと思います。