朝目が覚めたら「60代だった」ことに、ハッとした。さっきまで、若き日の海で遊ぶ青春の夢をみていたのです。
あのキラキラでドキドキするのは、夢だったのです。あの夢をもう一度!
60代って、なんでもデキそうな気がするのです。
それまでの縛りから解放されて水をえた魚の様に泳げるからです。
普通の可もなく不可もないサラリーマンが、やっと会社をリタイアしたのですから、自由なのです。
少しばかりの「退職金」を握りしめ、毎日生きているのです。
でも、久しぶりのOB会に来て先輩が良く言う「大事なのは、キョウイクとキョウヨウ」だと。
なんだキョウイクとキョウヨウって?
あの「教育・教養」なら、とっくの昔に大学でやったよ。
どうも違うらいい。遠回しに10分もかけて説明するOBの先輩。
酔いもまわり、活舌が悪くなったところに、輪をかけて「ろれつがまわない」状態だ。
キョウイクとキョウヨウの説明がやっとはじまった。
どうも「キョウイク」とは、「今日、行くところがある」ということで、「キョウヨウ」とは、「今日、用事がある」ことだそうだ。
この先輩、それが難しいと涙ながらに説明しているのだ。
60代は、ドキドキもある。
そんな青春の夢をみてワクワク・ドキドキするくらいだから、まだ「野生の男」が元気なのかもしれない。
キョウヨウがあるから、まだましかな。
でも、すこし頑張ると、あっちこっちが悲鳴をあげるのですよ・・・
記憶も目も活舌も耳も、老化していくのが、はっきりとわかるのです。
でも、まだ「ドキドキ」が残っていて、海と川が出合う河口あたりに生きているようなものなのです。
ある時は老人、ある時は青年、ごちゃごちゃで、まだ本物の筋金入りの「ジイ」にはなり切れていない新米なのですね。
だから、年金生活と言っても「全額支給」まで、あと1年・・
大体、リタイアして「自由で気が大きくなった」時を謳歌して、やれ海外旅行だ、リフォームだ、車の買換えだ・・・
一生で最後のわずかな大金、「退職金」はジリジリと無くなっていくのです。
だから、あと1年というのは、マラソンでゴール直前になり、「あと少しだ!ゴールはそこだ。テープが見えるぞ!」と全力で走り込むのです。
しかし・・・
ゴールに張ってあったテープは、いつの間にか審判が「あと500m先になりました!」と言って、ずっと先にもっていってしまったのです。
それが「あと1年」の気分です。
今後は、そのテープがさらに「もっと先までげんきだから走れるよね~」と、はるか先まで持っていかれようとしているのです。
若く見えても、そんなに体力ないよ
90才でも筋肉粒々で走り回っている鉄人も中にはいます。古代から走り回ってきたDNAをもっているのかもしれません。
おなじ80才でも、60代にしか見えない人もいれば、要介護で寝たきりの生活をされている方もいます。
自分では選べないのですよ。ひとそれぞれなのです。
だから、「まだ60代じゃないの!」といわれますが、中身は錆びついて部品がすり減って交換できない機械みたいなわたしもいるのです。
いまさら潤滑油を給油されても、歯車が減ってしまい、うまくかみ合わないから、うまく動かないのですよ。
微妙な60代に未来はあるのか?
60代で脳梗塞やガンで、バタバタを仲間は倒れていくのですが、どの仲間も「こんなはずじゃなかった」と申しております。
だから、いつそうなるかだれも分からないし、予測も不可能かもしれません。
最近研究が進んで、「命のローソク」が見つかったのです。
命のローソク?
上手く言う人がいるものです。引用しました。
『人間の寿命とは、さながらロウソクの如し。揺れる炎は「お迎え」までのカウントダウンともいえる。では、自身の余命が、厳然たる数値で示されるとしたら――』
引用:週刊新潮 2017年10月5日号掲載
命のローソク「テロメア」の事です。
細胞が分裂するたび、このテロメアは短くなっていくのだそうです。そして、その長さが半分ほどに縮むと、細胞はもはや分裂することができなくなり死に至るというのです。
「テロメアの短縮は、人間が健康に生きる年月に限界を設けているというのが科学界の通説である。」と言われているのです。
こまかいことはさておき、テロメアは短くなることは避けられないのですが、短くなる速度を遅くすることは可能らしい。
それに、影響を及ぼすのはストレス、それも体内で生じる活性酸素が細胞を蝕む「酸化ストレス」だというのです。
喫煙や睡眠不足、精神的な重圧でも、細胞が酸化ストレスを受けるといわれているのです。
在宅ブロガーに未来はあるのか?
現役時代に十分短くなってしまった「テロメア」なのですが、のこった長さをこれからの未来にどう使うかデスね・・・
ストレスや喫煙や寝不足なども影響して、「短くなるスピードが加速する」なら、ストレスがなくなった在宅ブロガーのわたしは、テロメアの減る速さが減速したかもしれません。
70才までいまのまま働いたら、それ以降に取っておいたテロメアの残りの長さは数年分もないかもしれません。
60才すぎたら、ゆっくりとテロメアを大事に楽しく「あの青春の夢、ドキドキの夢」をみながら、すごしたいのです。
なお(ライター@naoblog33.com)