通勤途中や外回りしながらできる熱中症対策を紹介します。冷たいペットボトル1本で歩きながら15分でOK。簡単にできるの便利な方法です。
この変わった熱中症対策は自分の体の仕組みを利用した効果的な方法で、スポーツの現場でも使われています。
その2:ペットボトル1本で出来る理由
その3:効果的なやり方
その1:歩きながらできる熱中症対策

通勤・通学の途中や仕事での外回りの最中、或いは外出した時に歩きながらできる方法です。方法は簡単です。
ペットボトルは冷たすぎてもいけませんので、ちょうどコンビニで売っている冷たさが丁度いいのです。ペットボトルが冷えすぎている時は、タオルで巻いて15℃位の温度で握るのが効果的です。
時間は約15分位で効果があります。
その2:ペットボトル1本で出来る理由
なぜペットボトル1本を握っているだけで効果があるのかを説明します。
AVAという血管
私たちの体には、皮膚が寒さや暑さを感じると「真っ先に収縮・拡張して体温調節に貢献する特別な血管」があります。
この血管を、「動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう:Arteriovenous Anastomoses、以下AVA)」と呼びます。
AVAは、手足の末端や顔の一部だけにあります。皮膚では手足の末端、顔の一部だけに存在する特殊な血管です。
手の場合、甲側ではなく、手のひら側にあり、足では足裏と指、顔では耳、まぶた、鼻、唇と、皮膚の薄い末梢に多くあります。

AVA血管が温度調整する仕組み
通常血液は、①~②~➂と流れます。しかし、体温が熱くなると、熱を逃がすために、④のバイパスが開かれて、より多くの血液が流れる様になるのです。
④の血管をAVAと呼ぶのです。

エアコンの室外機のような働き
エアコンの室外機の様なものです。室内の暑くなった温度を屋外に逃がしたり、寒くなると、外の空気から温度を取り室内を温めたりするのです。
AVAはどこにでもあるわけではないのです。ごく限られたところにあります。
血流量を0~1万倍までコントロール
皮膚表面から約1mmと毛細血管より少し深いところに1平方センチ当たり100~600個存在しているのです。拡張したときの直径は毛細血管の約10倍にまで太くなり、流れる血流量は1万倍にもなる。
また、完全に閉じると血流量はゼロになるという、血流をコントロールする優れたシステムなのです。
血液の温度管理をして、大事な脳や心臓を守るのです。
AVAの目的は、脳や心臓など体の中心部の温度を一定に保つように管理しているシステムなのです。すごいシステムが知らないところで、働いていたのですね~ 驚きです。
その3:効果的なやりかた
熱中症の危険から体の温度が高くなるのを防ぐには、AVAの温度を少し下げると、血液の温度が下がり、体温が高くなるのを防いでくれるのです。
熱中症予防は、AVA血管が多いところを冷やす
その場所で最適なのが、手のひらなのです。ここなら、冷やすのには絶好の場所ですね。
活動前の15分、忙しい時は歩きながら左右交代に握って15分
ペットボトル500㏄を1本用意します。コンビニで買ったままでも良いし、自宅で冷やしたものでも良いし、水を入れて冷やしたものでもいいのです。
つまり、冷えていれば良いのです。
外出や運動する前の15分間、ペットボトルを手のひらで握ります。大体で良いのです。
手のひらを冷やす温度は15℃の冷たさでOKなのです。キンキンに冷えたものでは、逆効果ですから注意しましょう。
効果はどれ位?
体内の熱が下がり、汗が20~30%減少します。
実際に試験した結果では、30℃を超える気温で20分のウォーキングをした場合、汗の量が20~30%減少していたとの報告がありました。
おわりに
冷やし過ぎは、逆効果ですから気を付けましょう。人間のもっている温度管理システムを担う血管AVAとペットボトルでの熱中症対策の方法を紹介しました。