定年後まで住宅ローンが残っていると大変でしょうか?
先々のことですが住宅ローンを組むときにちょっと不安になりますよね。
本記事では
- 住宅ローンは定年後きつくなる?
- 住宅ローンを繰り上げ返済する
- 繰り上げ返済のメリットとは?
についてご紹介します。
住宅ローンは定年後きつくなる?
住宅ローンを組む年齢は30代~40代が多いのではないでしょうか?
この年代は体力も気力も若く、先々の心配などはそれほど無いと言った方が良いかもしれませんね。また、仕事も中堅の立場になり収入もある程度安定して見通しも出てくることですね。
住宅ローンはかなりの額になるので定年後まで組むのが一般的になっているようです。70才、75才完済予定等で組むことになります。しかし住宅ローンは定年後が厳しくなることもあるので、今回記事にしました。
住宅ローンはなぜ定年後きつくなる?
定年後の予想としては子供は独立るかしないかで、年金は65才から支給されるそんな時期が定年直後だとします。
現在は60才で定年し、その後は会社の残り嘱託社員などの雇用契約で年金が支給される65歳まで収入を繋ぐことになります。
そして65才から年金が支給されて、いよいよ月額20~24万円ほどの年金生活に入ります。
実は、ここからが住宅ローンが残っている場合と、65才までに完済した場合の違いが出てきます。
まだ住宅ローンが残っている場合は、年金から支払うのは難しいので、貯蓄から充当するのが一般的ですよね。貯蓄といってもその大半は退職金であり2,000万円~2,500万円辺りになるでしょう。
住宅ローンが月に10万円の返済として70歳までの5年間ほど残っていると、600万円、ボーナス併用ならさらに加算されるので約1000万円は切り崩すことになります。
そして現実には定年後いろいろお金がかかるので貯蓄の残額は約1,000万円も残ればいい方ですね。この状態でもまだゆとりがあると思われます。現実には定年後はもっとお金が出ていくので、さらに厳しくなっていくことになります。
なので、65才で住宅ローンが残っている場合と、完済した場合とは老後の資金に大きな差が出てくることになります。
若い時は何とかやりくりができましたが、老後は体も気力も無くなっていくので資金が無くなっていくと厳しさも増していきます。
住宅ローンを繰り上げ返済する
子供の教育費など多くのお金がかかるのが40~50歳代ですね。
子供の高校、専門学校、大学へと進学もあり家計は自転車操業・火の車になる時期です。
住宅ローンを途中で見直す時期
お金がかかる時期に住宅ローンを5年間短くしてさらにボーナス返済分を無くして、月々均等返済へと組み替えるなどの変更は返済が大変です。
でも将来の来るべき老後を見据えるとこの時期に繰り上げ返済にすることでメリットが出てきます。
例えば月々9万円の住宅ローンの返済をボーナス払い無しの均等払いで月12万円へと増加することになるようなイメージです。3万円も増えるのですから、さらに生活は学費ローンと重なり、大変になると思います。
この時期に大変でもローンが返済できる理由は、単純なこととですが「体力がある」からです。40歳代~50歳代は多少無理があっても、がんばって働ける体力があり、家族も協力して乗り切れるからです。
昔、祖父から教えてもらったことがあります。
「子供は自分の食い扶持は持って生まれてくる」
つまり、子どもが食べる分は自分でちゃんと持って生まれてきたのだから、親は子供に過度な心配はせずに一生懸命働いて生活することだというのです。
振り返ると、まさにその通りとなりました。
住宅ローンを5年間繰り上げ返済する
これから先の時代は、定年退職年齢が65才になるといわれています。
この記事では現状から一般的な60歳定年と仮定します。
60歳で定年退職すると、一般的にそれ以降は正社員ではなく契約社員や嘱託として働くことになります。
つまり、60歳定年以降は給料が定年前の半分以下に減り。良い条件でも60%程度でしょうか?年収換算では150万円~400万円あたりで働くことになります。もちろん役員ならもっと高い収入があると思いますが、一般的にはこんな感じですね。
例えば35年ローンで70歳完済の場合、こんな計算を例に説明します。60歳定年後に給料が半減した中で、残り70歳までの10年間を現役時代と同様に「住宅ローンを月額返済9万円+ボーナス月は25万円加算」支払うとします。
生活にもお金がかかるので住宅ローン返済は月々の生活費から出すのは難しく、退職金を切り崩して70歳になるまでの10年間払うことになります。途中、場合により65歳から無職で収入は年金だけとなります。
この様に、70歳で完済するというのは、住宅ローンの返済が厳しくなるということです。しかし、65歳で完済するように見直すと定年後の住宅ローン返済期間は5年間だけになります。均等払いに借り換えるとボーナス部分の返済が無くなるので定年後は楽になります。
退職金から切り崩しても月12万円を5年間なので、総額で720万円です。退職金を利用する計画に見直して65歳で完済とします。
繰り上げ返済のメリットとは?
日本の年金制度は、現在65歳から国民年金(老齢基礎年金)が満額で年額78万1,700円(月額約6万5,000円)です。
厚生労働省「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を見てみると、老齢基礎年金の平均受給額は月額5万5,809円となっています。保険料を支払っていない時期があるからです。原則として20歳~60歳までの40年間(480カ月)、保険料を全額納めた人です。
厚生年金は65歳からの受給開始(現在は段階的に支給年齢が上がっていく)になるので、65歳までは働かない限り無収入です。
65歳以降は働き口があれば働くのですが、体力が落ちてくるので思うような仕事を見つけるのは困難さを極めます。ここまでまとめると、次のようになります。
65歳からは無収入の無職で年金生活となります。
厚生(共済)年金と国民年金は65歳から受給開始。
65歳以降もまだ住宅ローンが残っていると、ローン返済は退職金を切り崩して返済することになる可能性が出てきます。
住宅ローンの完済が65歳でメリット
住宅ローンを40歳代に無理しても70歳の完済時期を5年間短縮して65歳で完済する見直しをするとメリットが出てきます。
65歳から年金だけの生活なら月約20万円です。過度な贅沢をしなければ夫婦2人十分暮らせる金額です。退職金が2千万円ならば、60歳~65歳の間に切り崩した分を除いても、まだ1千万円以上は残っているのです。
老後の貯蓄は老後の入院・医療費で一人400万円、夫婦なら800万もあれば十分です。
どうでしょうか?
もし、70歳までさらに5年間も住宅ローンが残っていたら、体に無理をしてでも働かないと支払えないのです。体力的に衰えてくるので65歳以降の肉体労働はつらいものがあります。
働かない選択肢を選ぶと、約800万円を退職金から切り崩すので手元には200万円程度しか残りません。40歳代は体力があるので無理しても働け、家族もアルバイトをしながら協力して乗り越えることができます。
経験では、そこが大きく違うところです。
若い時には、65歳完済と70歳完済の5年間の差はわずかに感じていました。しかし、現実にその時期が来ると、天国と地獄ほどの差が出ることもあるのです。
まとめ
住宅ローンは早めに借り入れて遅くとも年金が出る65歳までには完済するのが理想というお話でした。
65歳以降の老後は住宅ローン無しで暮らしたいものです。
そのためにも、早い時点での住宅ローンの繰り上げ返済の見直しは大切ではないかと思います。