昔ながらの酸っぱい梅干しの失敗しない簡単な作り方を紹介します。
特徴は、酸っぱい梅干しで日本古来の作り方。完成すると昔懐かしい本来の酸っぱい懐かしい本来の味がします。
昔の梅干しは、震えるくらい酸っぱかった!
夏休みに田舎に帰ると、おばあちゃんが作った昔ながらの酸っぱい梅干しが、夏の暑さと相まって記憶に残っているのです。

JAS法で「梅干し」と呼べるのは?
実は、「梅干し」の呼び方がJAS法で決まっています。
梅干し
JAS法では、濃度25~30%の塩で漬けこんだ梅を干したものを「梅干し」と呼びます。
調味梅干し
最近のスーパーで売られているもので、ホワイトリカーや調味料を加えて塩の濃度を下げた梅干しを「調味梅干し」といいます。
ハチミツ梅干し、鰹梅干し、黒糖黒酢仕込みなどは「調味梅干し」なのです。
日本古来の梅干しの作り方を学ぶ
塩の濃度が25%~30%で梅を塩漬けにした後、3日ほど日干しにします。
これを「土用干し」といい、この状態のものを「白干し」と呼びます。
これは保存性に優れており、塩分が20%前後に仕上がります。
土用干の後、再度漬ける「本漬け」にしてつくられたのが伝統的な梅干しの製法です。
赤い梅干は江戸時に始まり、シソで赤く着色されるようになったとされています。
梅の種類
6月中下旬になると梅干し用の梅が売りだされます。
梅干しに使える梅の種類を説明します。
(1)青梅
青梅は、青く硬いのです。梅酒などに向いています。梅干しで使う時には、黄色く熟したものを使います。

青梅は注意!「青酸配糖体」
幼い青梅は食べないでくださいね。
梅の種や果肉には、「青酸配糖体」という物質があります。青酸は、人間の体内に入ると呼吸困難や目まいなど深刻な影響を与えます。
しかし、含まれる量はごくわずかです。成人で約300個、子どもなら100個ほど食べないと深刻な影響は出ないといわれています。
「青梅を食べて倒れる」というのは現実味のない話なのです。
とはいえ注意が必要です。
特に種には青酸配糖体が果肉よりも10~20倍、含まれているのです。(参考:JA福岡中央会)
(2)白加賀梅(しろかが、又は、しらかがと呼ぶ)
江戸時代からの歴史があり生産量の多い梅です。主な産地は関東地方で、南高梅に似ていて、実の粒は大きいです。

陽光に当たった面は熟すと次第に紅を差してくるのが特徴です。果肉は緻密で肉厚ながら繊維が少ないので、梅干に適しています。
(3)南高梅
梅干しでは有名な「南高梅」。全国1位の梅の生産地である和歌山県を代表する品種です。
実の粒が大きいのに種が小さく、皮が薄くて果肉が柔らかいので、梅酒や甘露煮など梅そのものを食べる物に向いている。
よく日が当たった部分がほんのりと赤くなるのが特徴。こだわりの梅干を作る場合は、南高梅をつかっています。
梅干しには、南高梅か白加賀梅を使う
梅干しには「南高梅」あるいは「白加賀梅」を使います。
種が小さく、果肉が多く皮が柔らかいので、出来上がった時に食べやすいのです。
梅干しを作る準備
(1)塩は20%。カビが生えない濃度で失敗無し
梅の重さに対して20%の塩を使います。梅1kgなら塩200gです。
これ以下だと、カビが生える可能性があり、梅や容器などを相当消毒する必要が出てきます。
塩が20%以上なら容器や梅を焼酎で消毒しなくてもカビは生えません。
つまり、失敗しないのです。私は25%近くで作っています。
作り方は簡単です。しそを使った赤い梅干は面倒なので、しそを使わない梅干しを作っています。
(2)梅が黄色く熟すまで待つ
始めに、買ってきた梅をよく見ます。黄色く熟していれば、すぐに使えます。
しかし、青い部分が残っていたりすると、まだ完全には熟していないので、熟すまで待ちます。
新聞紙に梅を並べて、部屋に置いておくと数日で甘い桃のような香りが部屋に漂ってきます。

ほぼ黄色くなったら仕込み開始です。
(3)水でかるく洗う
梅を軽く水ですすぎます。ゴミを取る程度です。洗ったらザルにあけて水を切ります。
それから、キッチンペーパーで水分を取ります。
(4)梅の「へた」を取る
つまようじで梅のへたを取りのぞきます。梅が木になっている時に繋がっている部分にあるところです。
梅干しの仕込み
梅酒用のビンやプラスティックの容器やカメでもいいのです。良く洗って、水分を乾かして用意しておきます。
(1)梅と塩を交互に入れる。
容器の底に梅を並べます。
次にその上に塩をバラまき、さらに梅を載せ、その上に塩をバラまきます。
このように塩と梅を交互に重ねていきます。
最後には、残った塩を上から全部バラまきます。

オモリを乗せて、水が上がるまで待つ。
適当なオモリ1㎏~2㎏程度を乗せて仕込みは終わりです。
オモリは買う必要はありません。
ペットボトルに水を入れて使っても十分です。梅を仕込んだ容器の一番上にお皿を乗せて、その上からペットボトルを乗せても良いです。

3日目位に水が上がってくる。
3日目位になると、水が上がってきたら順調です。
最初は、底に少し水が見える程度ですが、日ごとに増えていきます。
最後には梅の高さの2倍ほどまで水が上がってきます。

7月下旬、梅雨明け!晴れの日を待つ
そのまま、梅雨明けまで置いていきます。7月下旬ごろでしょうか。
梅雨明け宣言が出ると、外は夏空が広がっているでしょう。
カンカン照りの夏空です。
天日干しをする
漬けた梅を干します。土用干しと昔から言われています。
干すことでうま味が増すのと細菌も殺せるので長持ちするのです。

昔から「三日三晩干す」とあります。
三日三晩でなくとも大丈夫です。
1日でも良いし、3時間程度でも良いのです。
干したら、一応完成です。
早いものでは、1回干した梅干しを食べる事が出来ます。
是非、できたての梅干しを食べて見て下さい。
出来立ては、しょっぱいのと酸っぱいのがとても強いです。
3カ月位すると、ちょっとまろやかに感じてきます。1年も経つとさらに美味しいのです。
干すほどに美味しくなる。
私は、1日に10時頃から午後3時頃まで干して、また元の梅酢のはいった容器に戻しています。
そして、また天気が良い日に同じように干しています。すごい方は、次の年の梅雨明けに、また干す方もいます。
3年ものを干したり、5年ものを干したりします。
どんどん美味しくなっていくのです。
梅干しの保存方法
天日干しした梅干しは、そのまま容器で保存してもいいのです。
また、少し濡れている方が好みの場合は、干した梅干しを梅酢の中に一度くぐらせてから別の容器にいれてほぞんすると、湿った梅干となります。
下の写真が、梅酢にくぐらせて湿らせた仕上がりです。
超、酸っぱいのです!!

もちろん、元の容器にひたひたと梅干を戻しても、また美味しいのです。自分が美味しい方法で保存すればいいのです。
梅酢の利用方法
梅干を着けていた容器には、梅酢が残っています。
これは貴重な梅酢です。
料理やちょっとだけ冷水に混ぜて飲むと、塩分や酢酸、その他の栄養分が取れて体にも良いのです。
捨てないで利用しましょう。
梅干しの「クエン酸」効果
酸っぱい梅干しが酸っぱい理由は、「クエン酸」と呼ばれる成分なのです。
(1)新陳代謝が活発になる
クエン酸には、血液の流れを促進する効果があることから、疲労物質や老廃物を体に溜めこまず、新陳代謝が活発になるという効果が期待できるのです。
(2)お通じを促す
クエン酸は腸を刺激してお通じを促す効果があることもわかっています。
(3)脂肪燃焼の効果
梅干しには「バニリン」という成分が含まれていて、脂肪燃焼効果があると言われています。ダイエットに効果があると言われているのです。
おわりに
日本古来の製法で酸っぱい梅干しお作り方を説明しました。
梅干しはその昔、薬としても用いられた貴重は保存食だったと伝えられています。
多忙な現代こそ、昔ながらの酸っぱい梅干しを食べて元気に頑張って行きましょう。
なお(ライター@パパ家事)