最近、人気が急増しているウォーターサーバーは、いつごろからあるのでしょうか?
日本でウォーターサーバーが、家庭で使われ始めたのは、つい最近のことです。
そこで、今回はウォーターサーバーの発祥の歴史と、日本でどのように広まったのか解説します。
ウォーターサーバーはいつからあるの?
ウォーターサーバーが家庭に家電として普及し始めたのはここ数年のことです。
初期のころは値段が高いので、おもに公共の施設や病院、企業のオフィスで目にしたのですが、最近では家庭でもよく見るようになりましたね。
では、このウォーターサーバーはいつごろからあるのでしょうか?
実はウォーターサーバーの歴史は、かなりさかのぼるのです。
ウォーターサーバーの発祥はアメリカ?
結論からお伝えすると、ウォーターサーバーの歴史は、アメリカで始まりました。
今から、100年以上も前の、1910年代です。
「ろ過装置つきの給水器」が歴史の始まりといわれています。
雨が少なく長年にわたり水不足に悩まされていたアメリカ南西部の乾燥地帯では、飲料水を遠くから運んでいました。
運搬には労力もお金もかかっていたといいます。
ところが「ろ過装置つきの給水器」が開発されると、水がとてもかんたんに確保できるように便利になりました。
その結果、水不足の地域では「ろ過装置つきの給水器」が急速に広がりました。
1930年代になると、水ビジネスへと成長し、アメリカの都市にも広がっていきました。
日本は1980年代にウォーターサーバーが普及
ウォーターサーバーが日本に広まったのは、1980年代に入ってからとなります。
歴史としては、ずいぶん最近のことですね。
その理由は日本は飲料水には恵まれていたからです。
温暖な気候により森林などの自然環境にめぐまれているため、飲み水に困ることがありませんでした。
アメリカの乾燥地帯のようにウォーターサーバーが必要ではなかったのです。
しかし、1950年~1970年代に発生した様々な公害で水の安全性に不安が出ていました。
そこに高度成長期という好景気の時代をむかえ、人々は健康志向へと向かいます。
そして、1980年代になると当時の日本では富裕層の間で「水の安全」や「健康志向」のために高級な家電でしたがウォーターサーバーの設置がはじまります。
一般家庭にはまだまだ手が届きませんでした。
1994年は猛暑と水不足
1994年の日本は、記録的な猛暑で深刻な水不足となりました。
そのため、多くの地域で給水制限が行われるなど、多くの影響がでました。
それまでの歴史の中で、日本では「水をお金で買う」というのはごく一部だけで、一般の市民にはまだ浸透してはいませんでした。
しかし、どうしても水を確保するために、お金をかけてでも「安全な水を買う」ということになっていくのです。
「東日本大震災」で拍車
東日本大震災が発生した2011年を境に状況は一変します。
原因の一つに「放射能汚染」があり、現在も続いている不安です。放射能により汚染は「水道水への不安」にもつながっていきました。
その結果、「安全性の高い水を買う」ことが一気に普及しました。
参考に日本宅配水&サーバー協会のグラフを参考にみてみましょう。
ウォーターサーバーが伸びていますね。
ウォーターサーバーの普及はこの年あたりから拡大することになったのです。
「リターナブル」は水ボトルを宅配し、空になったら回収し新しい水ボトルを宅配する形式です。
「OW」ワンウェイ、「BIB(バックインボックス)」は、空になった水の容器を、ゴミ箱に捨てられる形式のことです。
2018年ころから、捨てられる容器が人気でリターナブルを抜いています。
最近では、防災用品の一つとして常備されるようになりました。
新型コロナでウォーターサーバー普及が加速
2020年には日本全国に「新型コロナウイルス」の感染が急速に広まりました。
2021年現在は、変異型コロナの第4波が猛威をふるっているところです。
感染拡大防止の対策のため「リモートワーク」や「外出自粛」によって在宅時間が増えています。
在宅時間が増えることで、家庭内で安全でしかもおいしい水を使う需要が急増しました。
この影響により、さらにウォーターサーバーを、自宅に設置する件数も急増しています。
メーカーでは、この需要の急増に対応して、卓上式などお一人様用も開発しています。
まとめ
ウォーターサーバーの歴史は、今から100年以上前の1910年ごろアメリカで出現したことが分かりました。
その背景には、安全できれいな飲み水の確保という需要があったのです。
2021年の現在は、世界的なパンデミックによって生活が一変しました。
そのことでまたウォーターサーバーの需要が高まっていると言えます。