仕事で多忙だったり1人暮らしの生活でも、食事の回数をほんの少し見直すだけでだれでも心と体が健康で活気のある生活を送ることが出来るのです。
いったいどのように食事を取ればいいのか食事回数をベースに紹介します。
現代人の1日の食事回数
昭和の初期から中期の時代は家族がテーブルを囲んで同じ時間に食事をしていました。
高度経済成長期になると「24時間働けますか~ビジネスマン!」というCMが流れるくらい食事を削ってでも働く時代へと突入しました。
その結果、家族で一緒に食事をしたり夫婦ですら食事の時間を共にすることから離れていきました。
そして現在は働き方改革などの職場環境も以前とは変わり、食事の時間は取れるように改善されてきました。
一方、おひとり様を代表するように個の時代に入りました。
家族であっても、それぞれが自由に自分スタイルで生活するようになってきたのです。
最初に生活の基本である食事が、現在はどの様になっているのかを調べました。
朝食を取らない人の割合
農林水産省が調査したデータで「朝食欠食状況の変遷」があります。
日本人はどの位の割合で朝食を取らない人が存在するかを調べたものです。
それによると、平成28年では、成人の11.4%、中学3年生6.6%、小学生4.5%となっています。
その数は年々増加傾向になっています。
成人はいつから朝食を取らなくなったのか、その時期は次の通り紹介されています。
また、成人の朝食欠食が始まった時期について、中学生、高校生の頃から習慣化したという人が2割程度であるとともに、20歳以降に朝食を欠食し始めたと回答した人は男女とも半数存在しています
出典:農林水産省平成28年「食育に関する意識調査」
この調査から見えてくるものは、朝食を取らない習慣は中学高校から始まっていることがわかります。
そして20才までは朝食を食べていたが20才以降に朝食を取らなくなった人は半数に及んでいます。
原因は定かではありませんが、ライフスタイルの変化、ダイエットや1人暮らしが始まったりしたことも要因として見え隠れします。
それを裏付ける資料がNHKの2016年に行った「食生活における世論調査」から見つかりました。
1日3食とる人は81%、2食以下は若い層や1人暮らしに多い
3食食べている人は81%いました。
16才~29才で70%、70才以上では90%と高齢になるほど3食を食べていることが分かります。
2食以下の人は、男性で40代以下、女性で16才~29才の年齢で30%となっています。
また、1人暮らしの男性では39%と2食以下が最も多くなっていました。
理想的な1日の食事回数
日本人が1日に3食とることが理想的になったのは、1935年に国立栄養研究所の佐伯矩医学博士が提唱したのが始まりです。
大人が1日に2000kal摂取する場合、3回に分けて1回分を700kal前後として取るのが理想的だとして推奨したのです。
85年前の事です。
世界的なスケールで見ると、1日に2食の歴史は長く根強い習慣となっています。
日本では江戸時代までは2食が一般的でした。
江戸時代人なるとランプが発達して夜でも起きている時間が長くなりました。
そのため食事の回数を増やすことになったのが理由です。
驚いた方もいるかもしれませんが、実は食事回数は決まりがないのです。
1日3食が始まって85年目を迎えようとしている現代、その固定観念を取り払って、それぞれの生活スタイルに見合った回数が理想的な回数ともいえます。
重要なのは、1日の摂取カロリーが取れれば食事回数はライフスタイルに合わせて何回にしても問題は無いといわれています。
方法1:1日1~2食が適正回数
食事回数が少ないと食事間隔が長くなり、胃が空になる時間もあわせて長くなります。
そのために胃を休めることができるメリットがあります。
体が要求しているだけ食べても、人間の体は必要以上は受け付けないのです。
夕食でたっぷり食べても翌朝は少しだったりします。
1日1食で有名な方はナグモクリニック院長の南雲吉則医師がお手本です。
お年の割に若くアンチエイジング効果を実践している方です。
1日1食は、眠くならず頭がスッキリするようです。
方法2:1日3食が適正回数
理想的な食事方法として85年目を迎える日本の最も多い食事回数です。
6時間おきに食事が出来る方にとってはバランスの取れた理想的な回数となります。
高齢者に3食を規則正しく取る割合が90%と高いのは、環境が整っているからですね。
方法3:1日4食が適正回数
食事をこまめにとることは、ダイエットでも人気のある方法です。
食事回数が増えることで消化をするための代謝エネルギーが多く消費されりことが一つの要因です。
また食事回数が増えると脳に変化が起こります。
通常私たちの脳は、次の食事までの時間が長いと摂取した栄養が持たないので、体に蓄えておくように指示を出します。
ところが食事回数が増えて食事間隔が短くなると、脳が体に別の指示を出します。
「次にすぐ栄養が補給できるので栄養を蓄える量を減らしてもいい」という指示です。
それによって体は余分に栄養を蓄える必要が無くなります。
その結果、摂取した栄養は体に蓄積されずに殆ど燃焼されます。
それがダイエットにつながるというのが仕組みです。
ダイエットそしている方の食事回数スタイルとして効果的ですね。
方法4:1日5食が適正回数
5回と決めつけないまでも、一度に多くのカロリーを取得できない方に適した食事回数です。
事例としては糖尿病患者さんのための食事療法として5食が考案されたようです。
その他、外国では5食の人は体脂肪率が低いという研究結果も報告されています。
最近は日本でも脳に満腹感を与えるために5食にしてダイエットをする方法が紹介されています。
食事の回数をカスタマイズして健康を維持
食事の回数で説明したように何回が理想的かは、その方のライフスタイルによって様々な回数があるということです。
つまり、人々はみんな個々に生活スタイルが違うように食事のスタイルもまた違い回数も当然違うのです。
それが時代に生きている私たちの食事なのです。
方法5:ライフスタイルに合わせた食事回数を見つける
「1日に3食しっかり取りましょう」という標語が成り立たなくなっているのです。
シフトで夜中に働いている人に、3食しっかりと食べましょうと言っても、朝、昼は疲れて休んでいる時間帯なのです。
朝帰宅してしっかりと朝食、昼食を取ったら逆効果で体を壊してしまいます。
仕事で徹夜や事情があって夜中に仕事をする場合など、空腹感から夜中のバク食いなどにならないためにも、食事回数を増やして夕方からをの食事内容を調整することも健康には必要な方法です。
食事の食べる速さと健康の関係
「食事はゆっくりとよく噛んで食べましょう」と小さいころから耳にタコが出来るほど聞かされてきました。
調べたら、早食いに関する調査がありました。
2002年に名古屋大学大学院・医学系研究科・公衆衛生学の大塚 礼た氏, 玉腰浩司氏, 八谷 寛氏, 豊嶋英明氏が行った「食べる速さに関する研究」です。
(1)食べる速さが速いと答えた者ほど、エネルギー摂取量とは独立して、肥満度が高かった。
出典:名古屋大学大学院「食べる速さに関する研究」より
(2)食べる速さが速いと答えた者ほど、BMIとは独立して、インスリン抵抗性が高かった。
方法6:ゆっくり食べる。摂取カロリーとは無関係に早食いは太る
カロリーが少なくても、BMIが低くても、早食いをすると肥満度が高くなるという研究結果ですね。
早食いで肥満になる原因は、食事を速く食べると満腹中枢からの信号が送られる前に食べ過ぎてしまうことです。
食事は楽しく、よく噛んでゆっくりと食べることが大切なことが分かりました。
食事の分量と健康の関係
「あんまり食べていないのに太ってしまうんです。体質でしょうか・・」
よく聞く話ですが、残念ながら「適量以上に食べている」のが原因です。
食事の適量はどの様に図ればいいのでしょうか。
食事の適量の計算
栄養士の方の情報をまとめると次のようになります。
「基礎代謝量に活動係数を掛けた数字が適量となる」のですが、素人には複雑な計算になります。
そこで、一般的な概算数字「体重1Kg=30~35Kcal」として計算します。
(例)身長160cmの標準体重は56.3kgなので、この例を計算します。
適量:56.3Kg ×(30~35Kcal)= 1,689~1,970Kcal
この 1,689~1,970Kcal が1日に摂取する適量なのです。
身長から標準体重を調べて計算してみましょう。
摂取カロリーが意外に少ないと感じます。人間はエコにできているのですね。
簡単に適量を知る方法
外食に行ってもスーパーでお弁当を買ったときでも、すぐに適量が分かる方法です。
この方法はどこでも簡単に大体の適量を知るのに役立つ方法で、今年4月にある記事で紹介されたものです。
定食を例にして試算してみましょう。
通常「定食」が食の基本です。
定食は、主食(ご飯、パン、麺類等)、主菜(肉、魚、野菜等)、副菜(野菜の小鉢等)と汁物で構成されています。
つまり、基本は主食・主菜・副菜が揃っていることが望ましいのです。
それぞれどれくらいの量が適量かを次のように簡易的に計ることができます。
方法7:主食の適量は自分の手を握ってできるゲンコツの大きさ。
主食を計る方法です。
だいたいこのゲンコツの分量が主食の適量となります。
おにぎりも、パスタも、うどんも、パンも大体グーの大きさが適量です。
ご自分の身長や体重にあわせて増減をして調整し、あらかじめ頭に入れておけば、どこでも簡単に計れます。
方法8:副菜の適量は、手のひらを開いて指を除く部分の広さです。
副菜を計る方法です。
人の体形によって手のひらの大きさが変わるので、適量もふさわしく変わります。
手のひらを開いて、指のない部分に乗る程度が副菜の適量となります。
お肉や魚を中心とした副菜の分量は、意外と少ないと感じませんか?
それ位が適量なのです。普段どれだけ食べ過ぎているかが分かります。
この2つをまず確認して、不足している部分をサラダや野菜等で補う方法です。
とっさに適量を知るには便利な方法です。
理想の適量とは摂取したエネルギー(カロリー)をきれいに使い切ることです。
体重が増えたり太ったりするのは、摂取量が多いからです。
参考調査・データ等
農林水産省 朝食摂取状況調査
NHK 調査から見える日本人の食卓
名古屋大学大学院 食べる速さに関する研究
まとめ
健康になる食事の取り方を紹介しました。
特に食事回数が1日3回という歴史は85年目を迎えました。当時の日本の社会状況と現在では相当な違いがあります。
24時間社会が活動している時代は、自分の生活スタイルにあった食事の方法を見つけることが健康につながることになります。
なお(ライター@パパ家事)