水道水を使う浄水型ウォーターサーバーは、どのような仕組みになっているのでしょうか?
水道直結型や給水型など、いろんなタイプがあります。
そこで今回は、浄水型ウォーターサーバーの組みについて、分かりやすく説明します。
浄水型ウォーターサーバーとは?
浄水型ウォーターサーバーは、直接水道水をろ過して浄水を生成します。
それを冷水や温水として便利に使用できるシステムです。
一般的なミネラルウォーターの宅配型ウォーターサーバーとは異なり、浄水型は水道水を使うため、水の配送やボトルの交換が不要です。
このため、ユーザーは水道水をそのまま使えるので、ランニングコストを抑えつつ新鮮な水を日常的に楽しむことができます。
浄水型ウォーターサーバーの特徴
浄水型ウォーターサーバーの特徴は、水道水を効果的に浄化するためのろ過システムを備えている点にあります。
浄水型ウォーターサーバーの特徴は主に3つあります。
1.水道水を利用した浄水方法
水道水を浄水する方法は「全量ろ過方式」、「クロスフローろ過方式」、「逆浸透膜(RO)方式」の3種類あります。
全量ろ過方式は、砂ろ過やろ紙ろ過と同じ方式です。ろ過した不純物が膜面に堆積するため定期的に洗浄やろ過膜の交換を行います。
これに対して、クロスフローろ過方式は不純物が膜面に堆積する現象を抑制しながらろ過を行う方式です。
逆浸透膜方式は(RO膜)とも呼ばれ、水より小さな分子だけを透過させる人工薄膜で、原水から溶解物質や粒子を除去する浄水処理技術です。最もろ過性能が高いフィルターと言えます。
水道水をろ過するために、これらのフィルターが水道水に含まれる不純物や微細な粒子を取り除きます。
その結果、浄水された水がウォーターサーバーを通じて供給され、安心して飲料水として使用することができます。
一般的に多くの浄水型ウォーターサーバーは、20種類以上の不純物を除去する性能を持っています。
特に、PFAS(有機フッ素化合物)などの有害物質に対応したフィルターも増えており、最新のモデルでは26種類以上の物質を除去できる能力は一般的になっています。
フィルターの性能や種類によって水質が異なり、それがウォーターサーバー全体の品質や価格にも影響を与えます。
フィルターの構造と機能
浄水型ウォーターサーバーでは、主に活性炭フィルター、UF(超ろ過)フィルター、RO(逆浸透)フィルターなどが使用されます。
これらのフィルターは、それぞれ異なる不純物を除去する能力を持っています。
活性炭フィルター
「全量ろ過方式」の活性炭に水を通すと、活性炭の表面からの引力(ファン・デル・ワールス力)によって、水中の微粒子が活性炭の表面に引き付けられます。
引き付けられた微粒子は、表面の細孔による毛管現象により孔に引き込まれ、出られなくなります。
界面現象で引き寄せられた微粒子が、表面の細孔による毛管現象で吸着される。
UFフィルター
「クロスフローろ過方式」のUFフィルターの孔径は約0.01〜0.1ミクロンで、ROフィルターよりも大きいです。
UFフィルターは、主に細菌、ウイルス、コロイド、懸濁物質を除去するのに適していますが、ROフィルターほどの精度はありません。
このため、PFAS(有機フッ素化合物)、ウイルスや細菌は除去できますが、溶解した塩分や小さな分子は通過することがあります。
ROフィルター
一方、「逆浸透膜(RO)方式」のROフィルターは非常に細かい孔を持っています。
通常は0.0001ミクロン(0.1ナノメートル)程度水の分子しか通さないため、99.9%以上の不純物を除去する能力があります。
これにより、塩分、重金属、ウイルス、細菌、放射性物質などを効果的に取り除くことができます。
フィルターの適用分野
- UFフィルター
- 用途: 水処理、食品加工、医療分野などで広く利用されており、特に水質が悪化している地域での排水処理や水リサイクルに適しています。
- 効率: UFフィルターは、クロスフロー方式で運用されることが多く、膜の目詰まりを防ぎながら効率的に運用できます。
- ROフィルター
- 用途: 主に飲料水の浄化、工業用水の処理、海水淡水化などに使用されます。特に、純水が必要な医療や食品業界での利用が多いです。
- 廃水: ROフィルターは、ろ過過程で約70%の廃水が発生するため、効率的な水利用が求められる場面ではデメリットとなることがあります。
ROフィルターは、非常に高い除去能力を持ち、幅広い不純物を取り除くことができるため、特に純水が必要な用途に適しています。
一方、UFフィルターは、細菌やウイルスの除去に優れ、より大きな粒子を対象としたろ過に適しています。
用途や必要な水質に応じて、どちらのフィルターを選ぶかが重要です。
浄水型ウォーターサーバーの性能
浄水型ウォーターサーバーの性能は、水道水から不純物を取り除く「除去率%」で表します。
浄水フィルターで不純物を除去していくと、どんどんフィルターに溜まってきます。
そして、ウォーターサーバーの基準「除去率80%」を切ると、フィルター交換になります。
通常、半年でフィルター交換するメーカーが多数を占めます。
半年で浄水できる水の量が、ウォーターサーバーにより違います。
フィルター交換するまでに浄水できる水量を「総ろ過水量」といいます。
浄水型ウォーターサーバーには、法律で表示することになっています。
例えは、毎日10リットル使えるウォーターサーバーなら、6ヵ月(月30日)180日では、1,800リットリになります。
このサーバーの場合、総ろ過水量は、1,800リットルとなります。
総ろ過水量が多いほど、浄水性能が高いと言えます。
理由は、浄水フィルターが大きいから、たくさん浄水できるため。
大家族なら、総ろ過水量の多いウォーターサーバーを選ぶのがおすすめです。
一方、ひとり暮らしで使うなら、総ろ過水量は、少なくてもいいですね!
例えば、ひとり暮らしで、1日3リットル使える小型卓上タイプでは、半年(180日)で540リットル。
つまり、総ろ過水量540リットルクラスの浄水型ウォーターサーバーが適当となります。
このように、浄水型ウォーターサーバーの総ろ過水量を目安に、利用にあわせて選ぶことが、失敗のない選び方といえます。
浄水型ウォーターサーバーのタイプは2つ
浄水型ウォーターサーバーには、次の2つのタイプがあります。
- 水道直結型
- 給水型
水道直結型
キッチンなどにある水道に、細いホースでサーバーをつないで使います。
メリットは、ウォーターサーバー本体に、自動で水道水を給水してくれることです。
デメリットは、設置する時に水道につなぐ工事が必要なことです。また、水道に近い場所に設置しなければならないこと。
水道直結型のメーカーには、「ウォータースタンド」があります。
給水型
自分で、ウォーターサーバーに水を給水して使うタイプです。
メリットは、工事が不要で、設置場所はどこでも自由に置けることです。
デメリットは、たくさん水を使う状況では、何度も給水する手間がかかること。
給水型のメーカーには、ハミングウォーター、ウォータースタンド(ピュアライフ)、エブリィフレシャスmini tall、クリクラfeel free Putio、などがあります。
浄水型ウォーターサーバーのメリット
浄水型ウォーターサーバーのメリットを説明します。
メリット
- 手軽さ: 水道水を補充するだけで使用できるため、ボトルの受け取りや保管が不要。
- 即時利用: 冷水と温水をすぐに利用できるため、飲用や料理に便利。
- コスト削減: 定額制で水道水を使用するため、長期的なコストが抑えられる。
ボトル交換不要で便利
浄水型ウォーターサーバーの大きなメリットは、ボトル交換が不要である点です。
従来の宅配型ウォーターサーバーでは、使用後に空になったボトルを交換する作業が定期的に必要でしたが、浄水型ではその手間がありません。
水道水を浄水して直接利用する仕組みになっているため、ボトルの在庫を気にする必要もなく、ゴミも出ないため非常に環境に優しいです。
また、宅配を受け取る手間も省け、忙しい日常でも安心して使用することができます。
この便利さは、日々の家事負担を軽減し、より快適なライフスタイルをサポートしてくれます。
美味しい水を手軽に作れる
浄水型ウォーターサーバーは、水道水を手軽に美味しい水に変えることができる優れた機能を備えています。
仕組みとしては、水道水をウォーターサーバーに直結し、内部でろ過フィルターを通すことで不純物を除去し、快適な飲料水を提供します。
このフィルターは、主に活性炭と中空糸膜フィルターが組み合わされて使用されており、浄化能力が高いのが特長です。
純水(ピュアウォーター)が必要な時は、最も性能の高いROフィルターが必要になります。
日常的に美味しい冷水や温水を手軽に楽しめるため、こだわりのある方にも満足いただけるでしょう。
また、一定の時間ごとに自動クリーニング機能を備えた製品もあり、より安心して使用することが可能です。
浄水型ウォーターサーバーのデメリット
浄水型ウォーターサーバーのデメリットを説明します。
デメリット
- フィルターの管理: フィルターは定期的に交換する必要があり、これを怠ると水質が悪化する可能性があります。
- 水道水の質依存: 水道水の質が悪い地域では、浄水型ウォーターサーバーの効果が限定的になることがあります。
水質に依存する品質
フィルターの管理が必要です。
フィルターは定期的に交換する必要があり、これを怠ると水質が悪化する可能性があります。
水道水の質依存することがあります。
水道水の質が悪い地域では、浄水型ウォーターサーバーの効果が限定的になることがあります。
浄水型ウォーターサーバーは水道水を使って浄水を生成するため、基本的には地域の水質に依存する部分があります。
地方によっては水道水の硬度や風味が異なるため、浄水後の水の味に満足できない場合があります。
特に、深刻な水質問題がある地域では、水道水に含まれる不純物を完全に除去できない可能性もあります。
したがって、浄水型ウォーターサーバーを導入する際は、事前に自分の住む地域の水質を確認し、それに応じたフィルター選びが重要です。
フィルター交換の手間
浄水型ウォーターサーバーは、内部に搭載されたフィルターで水道水を浄水する仕組みです。
このフィルターは一定期間ごとに交換が必要であり、使用状況によっては半年から1年ほどで新しいフィルターに交換する必要があります。
フィルター交換を怠ると、浄水機能が低下し、飲料水の品質に影響する可能性があります。
そのため、定期的なフィルター交換は必須ですが、手間やランニングコストとして考慮する必要があります。
しかし、最近の製品ではフィルター交換の時期を知らせる機能が付いているものもあるので、手間を軽減することができます。
浄水型ウォーターサーバーと宅配型の違い
従来の宅配型ウォーターサーバーと浄水型ウォーターサーバーの違いを説明します。
ボトルの必要性
浄水型ウォーターサーバーと宅配型ウォーターサーバーの最大の違いの一つは、ボトルの必要性です。
宅配型ウォーターサーバーでは、定期的にボトル水を購入し、交換する必要があります。
このため、使い終わったボトルの保管場所や、空になった時の手間が発生します。
しかし、浄水型ウォーターサーバーは水道水を利用して浄水を行うため、ボトルが不要です。
これにより、ボトル交換の手間から解放され、利便性が大幅に向上します。
浄水型ウォーターサーバーの仕組みは、水道水を直結で給水し、フィルターでろ過して利用するため、
経済的かつ環境にも優しい選択となっています。
味の違い
浄水型ウォーターサーバーと宅配型ウォーターサーバーのもう一つの違いは味です。
宅配型は各地の厳選された天然水を配送してくれるため、ミネラル豊富で深い味わいが楽しめることが多いです。
これに対し、浄水型ウォーターサーバーは水道水をベースにしているため、地域や水道水の質によって味に違いが出ることがあります。
浄水型ウォーターサーバーの仕組みには、味を向上させるためのフィルターが搭載されていますが、どうしても天然水には及ばない部分もあります。
しかし、フィルター技術の進歩により、かなり美味しい水を提供できるようになってきています。
最終的には、個人の好みによる選択になるでしょう。
フィルターのメンテナンスと寿命
定期的な交換が必要です。
フィルターは使用頻度や水質に応じて定期的に交換する必要があります。
一般的には数ヶ月ごとに交換が推奨されており、これを怠ると浄水性能が低下する可能性があります。
フィルターの寿命はメーカーで違う。
フィルターの寿命は製品によって異なりますが、長持ちするフィルターを選ぶことで、長期的なコストを抑えることができます。
使用者の評価と実績
浄水型ウォーターサーバーを導入した使用者の口コミでは、浄水型ウォーターサーバーから得られる水は「スッキリしていて飲みやすい」と評価されることが多いです。
フィルターの性能が高いため、常に新鮮で美味しい水を楽しむことができます。
各社のフィルター性能は異なるため、購入前に除去可能な不純物の種類や数を確認することが重要です。
特に、家庭での使用においては、地域の水質や使用目的に応じたフィルターを選ぶことが推奨されます。
結論:浄水型ウォーターサーバーを選ぶべき理由
浄水型ウォーターサーバーは、現代の多様なライフスタイルに最適な選択肢です。
特に、自宅で頻繁に水を使用する家庭においてその利便性が際立ちます。
水道水をそのまま利用して浄水し、ボトル交換の手間が省けることで、コストや時間を節約できます。
これにより、利用者は定額のコストで新鮮な美味しい水を手軽に楽しむことができます。
さらに、浄水型ウォーターサーバーの仕組みとして、冷水と温水を一台で供給できるため、日常のさまざまなシーンで活用できます。
また、フィルターを通して不純物を除去するシステムにより、安全かつ衛生的な飲料水を家庭で確保できるのも大きなメリットです。
宅配型とは異なり、ボトルの受け取りや保管のスペースを気にする必要がなく、自分のペースで使用できることも魅力です。
特に、環境意識が高まっている現代において、浄水型ウォーターサーバーはゴミの削減にも貢献します。
これらの特徴から、浄水型ウォーターサーバーは、多くの家庭で選ばれる理由となっています。
不純物のない、きれいで美味しい水が使えます。