お風呂の残り湯には雑菌が多いと言われます。
残り湯にはどんな菌がいるのか?
お風呂には健康に影響のある危険な菌はいるのか?
お風呂に存在する菌と健康への影響について説明します。
また、お風呂のお湯を放置するとどれほど菌は増えるかも紹介します。
お風呂にはどんな菌がいるの?
一般的に、お風呂の残り湯の中にいる菌は基本的には人間にもともと共生していたものなので影響はありません。
お風呂に雑菌がいるとなると心配になりますが大丈夫です。
しかし、お風呂に入ることで病気を引き起こす菌の存在もありますので注意が必要です。
「5 Weird Ways Hot Tubs Can Make You Sick」(By Rachael Rettner – Senior Writer June 17, 2018)の記事がLive Scienceにリストアップされていますので参考に紹介します。
https://www.livescience.com/62841-hot-tubs-weird-infections-injuries.html
Live Scienceは、Future via Purchが運営する科学ニュースウェブサイトでYhooや、MSNBC、AOL、Fox Newsなどの主要なニュースメディアに配信されます。
「5 Weird Ways Hot Tubs Can Make You Sick」によると、お風呂に入ることでダメージを受ける可能性があるとしています。
その中から3つ菌と影響について紹介します。
MAC菌による肺MAC症
MAC菌(Mycobacterium avium complex)という菌がいます。
結核菌によく似た菌の感染によって起こる肺の病気が肺MAC症です。
最近日本で増えているのです。
お風呂と同じ42℃前後の温度で繁殖しやすいMAC菌は、気密性の高い風呂場が最適な環境なのです。
浴槽のお湯の注ぎ口やシャワーヘッドのぬめりや湯あかに存在していて、たまたま吸い込むことで肺MAC症になることがあります。
症状がひどいと酸素呼吸が必要になることもあります。
出典:NHK https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_501.html
緑膿菌による温浴毛包炎
お風呂の管理が不十分な入浴施設などで緑膿菌と呼ばれる菌に感染して起こることがあります。
温浴毛包炎になると、毛穴のあるところが赤みを帯びて中央に膿をもった皮膚の盛り上がり(膿疱)がみられます。軽い痛みを伴うことがあります。
1つだけのこともあれば多発することもあります。
全身のどこにでもできますが、首の後ろや太もも、臀部、陰部付近などに比較的よくみられます。
お風呂から出る時には、シャワーできれいに流してから出るようにしましょう。
レジオネラ菌
レジオネラ菌によりせき・高熱・筋肉の痛みといった肺炎のような症状が出る病気です。
汚染された浴槽から発生するレジオネラ菌を含んだ蒸気や霧を吸うことで感染します。
循環式浴槽(追い炊き機能付き風呂・24 時間風呂など)を備え付けている場合は、レジオネラ症を予防するため、浴槽内に汚れやバイオフィルム(生物膜。細菌で形成される「ぬめり」。)が生じないよう定期的に洗浄等を行うなど、取扱説明書に従って維持管理しましょう。汚れや「ぬめり」を落としてレジオネラ属菌が増殖しやすい環境をなくすことが大切です。
引用:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00393.html#Q1
このように、お風呂の浴槽やシャワーヘッド、お湯の出口などの「 ぬめり」はきれいに掃除することが重要だとわかります。
お風呂の残り湯を一晩おくと菌はどうなる?
お風呂の残り湯を一晩放置すると菌が増えるのですが、その量は想像を超える量となります。
株式会社衛生微生物研究センターが調査したデータがありますので引用したいと思います。
風呂水の菌数は一晩放置すると、約1,000倍に増加!
引用:株式会社衛生微生物研究センター
これらは主に人の体(皮膚など)に由来する細菌で、入浴人数が増えるほど菌数も多くなる傾向がみられます。
さらに翌日になると、風呂水の菌数は数十万個から数百万個と、入浴直後の約1,000倍に増えることがわかりました。
風呂のお湯の菌の多くは、もともと人間と共生している菌なので影響はないといわれています。
しかし菌が多いとせっかくのお風呂もいい感じはしません。
雑菌が増えたお風呂にはなるべくなら入りたくはありませんね。
お風呂はきれいに掃除することが大切です。
まとめ
お風呂の残り湯の雑菌について紹介しました。
また、お風呂の入浴からまれに引き起こされる影響があることもわかりました。
お風呂はいつも清潔に清掃し「ぬめり」は特に注意が必要です。
ともすると危ない菌の住処ともなる可能性があるので清掃をこまめにすることが大切ですね。