家事の中で日々行う洗濯にはどんな意味と歴史があるのでしょうか?
現代の洗濯は全自動洗濯機などが一般的に使われています。
ボタンを「ポン」と押せばあとは洗い、すすぎ、時には乾燥までやってくれるので便利な時代となりました。
近年は自然災害や大規模停電などで電化製品が使えないこともあります。
この記事では電気が無かった時代の洗濯方法を歴史から確認して、いざという時に役立つ洗濯方法を紹介します。
そもそも洗濯とはどんな意味?
洗濯という言葉は実に奥が深いのです。
洗濯の意味には、転じて心身(特に心)をリフレッシュすることを比喩することもあります。
時には「命の洗濯」などのように使われるのです。
古来日本では、「水」は清浄なもので信仰の対象でありました。
当時、病や災害の原因とされてきた 「穢れ」(けがれ=汚れ)を神聖で清浄な水で洗い流すことでした。
病や災害に見舞われない様にする行為が「洗濯」だったと言われています。
日本古来の洗濯方法と歴史を紹介
古代エジプト時代から、洗濯は女性の仕事でした。日本でも最近まで「洗濯は女性がするもの」という文化が長年受け継がれてきました。
そのため日本の男性は洗濯をするのが恥ずかしいという感覚が、どこかに残っているかもしれません。
しかし、現代は女性の仕事という感覚はなくなり、男女分け隔てなく平等に洗濯をする時代となりました。
さて、日本古来の洗濯方法の原型は 「踏み洗い」だと言われています。
古代日本では、川辺で行う水洗いでありその洗濯方法が主に行われていたようです。
その方法は
- 踏み洗い
- モミ洗い
- 手洗い
の3つの方法でした。
現在でも日本各地に踏み洗いが風趣として残っている地域もあります。
洗濯の洗剤はいつから?
奈良時代(700年代)頃から洗濯洗剤の原型となるものが使われたといいます。
洗濯用洗剤は、天然の草木からとれる「サポニン」を利用したとされています。
サポニンは、植物の根、葉、茎などに広く含まれていて苦味やエグみなどのもととなる成分です。
大豆、高麗人参、田七人参、桔梗、アマチャヅルなどの植物に含まれています。特にマメ科の植物に多く含まれています。
サポニンは、水に溶けると石けんのような発泡作用があります。
ラテン語で石けんを意味する「サポ」が名前の由来。
サポニンは脂質を溶かす働きがあります。そのため、昔から石けんなどに使用されていました。
洗濯機が使えない時の洗濯方法
大規模停電で自宅の洗濯機が使えなかったり、コインランドリーも使えない場合は、人が自分の力で洗濯をすることになります。
日本古来の洗濯方法をまねれば「踏み洗い」「モミ洗い」「手洗い」でしょうか。
水と洗剤が使える前提で考えると、洗濯ものを種類を分けて洗います。
しわになってもいい作業服などは「踏み洗い」、丁寧に洗いたいものは「モミ洗い」や「手洗い」をすることです。
浴槽の中を利用して洗うことです。
ぼくは海外で洗濯機が使えないところがあり、洗面台のあるところで洗濯した経験があります。
まとめ
日本古来から洗濯は「穢れ」を水で洗い流す落とす行為でした。
清浄なものを身にまとい「災い」「災害」に見舞われないようにしてきた洗濯の歴史を学びました。
自然災害や大停電などの緊急事態では、日本古来の洗濯方法を取り入れればなんとか対処できますね!